タクシー運転手とトラック運転手、どちらの職業を選ぶべきか迷っている方もいるでしょう。今回は、給与や仕事内容、勤務時間、必要な免許など、さまざまな角度から両者の特徴を解説します。
タクシー運転手とトラック運転手の違い6選
タクシー運転手とトラック運転手、それぞれの仕事内容やポイントを詳しく解説します。
給与の違い
一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会が発表した「令和5年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」によると、タクシー運転手の平均月収は33万8,500円で、地域によって大きな差があります。
特に東京都では高収入を得られる可能性が高く、歩合制を採用しているため、頑張り次第で収入が増えるのも魅力です。入社直後に給与保証を受けられる場合も多いので、安定したスタートが切れることもあります。
一方、公益社団法人 全日本トラック協会が発表した「2023年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(概要版抜粋)」によると、トラック運転手の平均月収は31万8,900円です。
タクシー運転手より若干低めですが、運転するトラックの種類や地域によって大きな差があり、特にけん引運転者などの高収入を得られる仕事もあります。歩合制や時間外手当を導入している会社では、努力次第で給与アップをねらえます。
出典:公益社団法人 全日本トラック協会「2023年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(概要版抜粋)」
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仕事内容の違い
タクシー運転手の主な業務は、お客様を目的地まで安全に送り届けることです。運転前には車両の点検を行い、業務終了後には車両の清掃や洗車を行います。基本的には顧客とのコミュニケーションが多く、接客業務がメインとなります。
トラック運転手は、荷物を目的地まで運ぶことがメインの仕事です。運転前には車両の点検を行い、場合によっては荷積みや荷降ろしも行います。荷物の管理や運転中の安全確認が重要なため、細かな注意が求められます。人とのやり取りは少ないものの、長距離運転が多くなる傾向があります。
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免許の違い
タクシー運転手になるには、二種免許が必要です。車両は主にセダンタイプで、特殊な運転技術は要求されませんが、都市部での運転や接客対応が求められます。
二種免許は比較的取得しやすく、短期間でタクシー運転手を目指せます。
トラック運転手になるには、中型または大型免許が必要です。車両が大型になるため、普段運転している車とは異なる運転技術が求められます。また、荷物の積み込みや積み下ろし作業を行うことも多いため、体力や車両の扱いに慣れることが大切です。
免許取得には時間と費用がかかる場合がありますが、大型免許を持つことで選べる仕事の幅も広がります。
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勤務時間や休みの違い
タクシー運転手の勤務体系は、昼日勤、夜日勤、隔日勤務の3種類が一般的です。勤務シフトが規則的であるため、休みを計画的に取りやすく、家族やプライベートの時間をしっかり確保したい方に向いています。
一方、トラック運転手の勤務体系は、運ぶ荷物や距離によって大きく異なります。特に長距離トラック運転手は、休憩や車中泊を挟みながらの移動となり、数日間自宅に帰れないこともあるでしょう。
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就職難易度の違い
タクシー業界もトラック業界も、現在はどちらも人手不足に悩んでおり、基本的に就職難易度はそれほど高くありません。必要な免許を取得すれば、比較的簡単に就職先を見つけられるでしょう。
しかし、待遇の良い大手企業などでは競争が激しく、面接で落ちることもあります。企業ごとの採用基準をしっかり確認し、応募先を選ぶ際に慎重さが求められます。
働ける長さの違い
タクシー運転手の平均年齢は60.7歳で、70歳以上の運転手もいることから、比較的長く働ける職業といえます。体力的な負担も少なく、年齢を重ねても続けやすい仕事です。
対照的にトラック運転手の平均年齢は、大型トラックが49.9歳、中小型トラックが47.4歳と比較的若めです。また、体力を使う仕事であるため、タクシー運転手ほど長く働くのは難しい場合があります。荷物の積み降ろしや長時間の運転には体力が必要なため、転職を考える際は将来の働き方も視野に入れることが重要です。
出典:
厚生労働省「統計からみるハイヤー・タクシー運転者の仕事」
厚生労働省「統計からみるトラック運転者の仕事」
タクシー運転手・トラック運転手のどっちを選ぶか迷ったら
タクシー運転手とトラック運転手、どちらを選ぶべきか迷っている方には、自分の強みや性格に合った職業を選ぶことをおすすめします。
もし、人と接するのが得意で丁寧なサービスを提供する自信があれば、タクシー運転手は魅力的な選択肢になるでしょう。
一方、トラック運転手は、長距離移動や荷物の積み下ろしを行う仕事です。気力や体力に自信があり、長時間の運転や物理的な作業をこなすことにストレスを感じない方には向いています。
それぞれに向き・不向きがあるので、自分の長所やライフスタイルに合わせて判断することが大切です。
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